年間学習計画表〈マップ〉とは
自習で使う参考書を教えてほしい。
私が2000年に塾を作った時、塾生からよく受けた相談です。大学受験を控えた高校3年生から質問を受けることが多かったですね。参考書や問題集は日頃から深く研究していたので、即座に答えることができました。大学受験英語のオリジナル教材も作っていましたから、教材について、優れたものとそうでないものを見分ける自信がありました。そこで、「合格英単語600を使うといいよ」「日本史実況中継がいいね」などと質問に答えていました。
そうすると次の質問が…
次には、「志望大学は早稲田だけれど、どのくらいのペースでやればいいの」と質問を受けます。それに対して、「英単語は7月までに、日本史は10月までに。そうなると、今から始めて1カ月に30ページ進める必要があるね…」 というように私は答えていました。塾を作った年、その翌年、またその次の年も同じ質問を受けます。「自習用の教材を教えてほしい」と。ほぼ全ての質問に答えることができました。一方で、分析したことのない大学受験の希望者も時々いたので、そんなときは、入試問題を実際に解いて、合格のための参考書、問題集を考えたものです。こうして、高校3年生には、授業で習うことと、自習で進めるものを教えて勉強を進めていくスタイルが完成していきました。


新たな課題から「勉強計画表(マップ)」の完成
しかし、しばらくすると、「あれ、この問題集はいつまでにやればいいんだっけ」などという質問を受けます。「それは、来月までにやることになっていたね」というように答えていました。こんなふうに、どんな参考書・問題集が自分にあっているのか、そして、どのくらいのペースで進めればいいのか、ということについて、塾の先生に聞いてみたいという強い要望があることがわかりました。そうですよね。本屋さんに行っても、問題集・参考書は何百種類もあります。その中で、自分に合っているものを見つけるのは至難の業です。せっかく勉強するなら、やれば効果が確実に出る教材を使いたいと思うのは、切実な願いだと思います。そこで、「自習教材提案」を発展させて、「年間学習計画表〈マップ〉」を作ったわけです。生徒さんの志望大学と受験までの残り時間、現在の学力を見て、生徒さんに合った自習用教材を提案します。そして、使う教材を口頭で伝えるだけではなくて、年間学習計画表〈マップ〉に書き込んで、どのくらいのペースで進めればよいか、1冊終わったら次に何を使うか、使用するねらいはどこにあるのか、などを教えることにしたのです。これが、年間学習計画表〈マップ〉です。
勉強計画表(マップ)のチェックは授業で
ただ、このマップを作っても、順調に進めることのできる人と、何らかの理由で、途中でつまずいてしまう人がいることがわかりました。マップが実行できれば成績は必ず上がります。ということは、マップを作るだけではなく、それを細かくチェックする体制ができれば、自然と成績が向上する仕組みができると思いました。マップのチェックは、授業の中で行うことができます。授業で、演習、解説、質問に加えて、マップの進み具合をチェックするとよいでしょう。こうすることで、マップで作ったペースを崩さないで順調に勉強を進めることができるようになります。
この〈マップ〉という優れた仕組みは、大学受験用に開発したものです。好評を博したため、高校受験用も開発しました。高校に合格したら、次は、大学受験です。
元祖となる大学受験用は、使う参考書・問題集の種類が増え、進め具合も志望する大学によって大きく変わってきます。高校合格はあくまでも通過点に過ぎません。高校に合格した後は、高校1年生から大学受験用の〈マップ〉を使って第一志望大学合格を目指して勉強を続けるように促してください!